社内ファイルサーバ検討(その2)

社内ファイルサーバ検討(その1)で


いろいろと今のNASからの代替案をあげましたが、
個々の代替案を検討したプロセスについてお話ししたいと思います。


パブリッククラウド

まずだれもが思いつくのがパブリッククラウドです。


Google Driveだと、G suite basicを使っているので、+600円/ユーザ/月 で無制限で使えるようになります。
本来はこれがファイルサーバの代替になると一番うれしかったのですが、

  • ファイルが特定のユーザに紐づく
  • ネットワークドライブとして利用できない
  • 既存の2TBのファイルをどうやって移行しようか・・
  • 2TBをクライアントで同期するのはナンセンスなので、基本ブラウザベースでの操作になりそう


という理由から、今回は見送りとしました。


MicrosoftのOne driveもOfficeライセンスが一緒なので、
結構魅力的だったのですが、やはりファイルサーバとしての用途はGoogleDriveと同様なので、見送り。
DropBoxなども1ユーザあたり月額1000円を超えるし、あまりメリットを感じず、といったところです。


Google Appsのビジネス版でファイルサーバみたいなのを用意すると売れる気がします。

ASPクラウド ファイルサーバ

今回検討したのは、Fusion Secure Drive Plusというサービスです。


ネットワークドライブにもなるし、IP制限でアクセス制限もかけられる
と、機能的には現在のNASの代わりを十分に果たしてくれそうです。


うちの会社だと月額4万程度の見積もり試算でした。
とはいえ、年間50万弱の経費は小さな会社にはインパクトがあります。

S3バケットをマウントし、Windows ネットワークから参照する方法

3つのアプリケーションを検証しました。


ExpanDrive
ローカルの各端末にインストールして使うぶんには一番安定していました。
ただ、マウントしたS3のバケットをネットワークドライブとしてネットワーク経由でアクセスができません。
つまりはすべての端末にクライアントをインストールする必要があり、AWSへの認証情報も
各端末で設定する必要があり、運用管理上見送りです。


TntDrive
Windowsのみです。S3バケットをマウントし、ネットワークドライブとして利用でき、LAN内の端末からアクセス可能です。
ソフトウェア費用もたった数千円ですみ、社内のWindowsマシンにマウントしておけば、いまのNASと同様に使える。


しかもS3バケットなので、容量はほぼ無制限!


なーんていう夢ものがたりを描いたのですが、
大量のファイルをアップしたり、参照したりすると結構不安定で、エラーが頻発。
別のソフトウェアを探すことにしました。


Cloudberry Drive
AWSのマーケットプレースにも製品を掲載しているソフトウェア会社の製品です。
試したところ、S3バケットのマウントはできたのですが、ネットワーク経由でのアクセスができませんでした。


Windows Server OSだとネットワーク経由でのアクセスができるらしいです。
サポートに連絡して、普通のWindowsでも動くようにお試しビルドまでしてもらったのですが、
ネットワークドライブへのアクセスが拒否されうまく動作しませんでした。


あまり時間をかけたくもなかったので、これも諦めることにしました。
andyいろいろとありがとうよ・・・


こうして、たった数十ドルのソフトウェアでS3という巨大ストレージを使い倒す、という淡い思いは儚く散っていきました。


大きなNASサーバに買い換える。

12TB のNASサーバが約20万で買えます。

RAID5して、8TBが利用可能ですので、まあコスト的にはわるくはなさそうだったのですが、

  • 停電とか心配するのやだな
  • ディスクは壊れるし
  • なんだかんだ電気代もバカにできないぞ!
  • ファイルがどんどん増えるときりがない・・

ということで、積極的な採用理由がありません。


S3バケットをバックアップ領域として利用する


このあたりから、小さな制作会社が、無限のストレージをファイルサーバとして安価に利用するなんてことは難しい、
ということにウスウス気がづいてきました。


そこで今使っているNASサーバを使いつつ、
既存のファイルを削除しやすく、
容量を増やさない工夫ができないかといった、
考え方にシフトし始めます。


普段の生活でも捨てられない人はたくさんいると思います。


「いつか使うかも・・」
「なんかあった時に使うかも・・」


で、結局何年も放置。それと一緒です。


削除しやすい仕組みを作ることがやっぱり大事なんじゃないかと思いました。
なくなった(削除した)時の不安を払拭することで気軽に捨てる(削除)してもらうことを目指します。

goofys を利用してうまいことNASサーバのデータをS3バケットと同期すれば?と考えました。


具体的には、linux サーバにマウントしたNASサーバの領域をlsync & rsyncでs3にバックアップするというものです。


しかしいざやってみると、rsyncでなぜかgoofysの領域にファイルコピーが失敗します。
いろいろ調べたのですが、よくわからず。。。



直接goofysでマウントした領域に、 mkdir や touch などはできるのですが、なぜかrsyncを使って
ファイルコピーができませんでした。


posix-ish なので、完全準拠していないせいでしょうか。


うーんと悩みながら、いろいろと調べていると、
s3 sync というものがあるというのを発見しました。


次回はこの一筋の光明を追いかける話をしたいと思います。